お歳暮は上司に贈るの? 贈る際のポイントと注意点。
お歳暮は、日頃お世話になっている方に感謝を伝える風習。
会社員が上司にお歳暮を贈ることもあります。一方、社員間や取引先への個人的な贈答を禁止している会社もあります。
お歳暮を贈る際の注意点を紹介します。
1.お歳暮を贈る基準とはお歳暮の起源は江戸時代までさかのぼります。長屋に住む店子や出入りの商人が、お盆と暮れの年2回、長屋の大家や得意先に挨拶に出向く際に持参した贈り物が始まりといわれています。
1年の締めくくりに、お世話になった人に挨拶してまわる「歳暮まわり」がお歳暮の起源です。
長屋の大家は「親も同然」といわれ、身元引受人のような立場で店子の面倒を見る場合が多く、長屋には管理人と世話役を兼ねた「差配」(さはい)と呼ばれる人が置かれていました。
しかし、現代の賃貸物件の家主と入居者はそのような関係ではなくなっていますので、大家さんにお歳暮を贈る習慣は薄らいでいます。
また、すべての上司にお歳暮を贈らなければならないということではありません。
ある程度親しい関係で、日頃の感謝を伝えたい相手であるかどうか、自職場内でお歳暮のやりとりがあるかどうかを判断基準にするとよいでしょう。
2.お歳暮選びのポイントと注意点一般的なお歳暮の予算は、一人あたり3,000円~5,000円が相場といわれています。
しかし、上司にはそれなりの品でなければと考える人が多く、相場より高めの5,000円~10,000円の品が選ばれる傾向があるそうです。
いただいたお歳暮にお返しを贈る必要はありませんが、高価すぎる贈答品をもらうと負担に感じる人もいます。
また、賞味期限が短い食品のように品物自体が負担になる場合もあります。
贈る相手の人柄、家庭環境にも充分に配慮して、本当に喜んでもらえるものを選びましょう。
はさみや刃物などの贈り物にはタブーとされる品のほか、靴やスリッパ、マット、靴下、下着類などの「踏みつける」、「みすぼらしい格好をしている」などを連想させる品は、お歳暮には不向きです。
花や植物を贈るのは問題ありませんが、品種名や花言葉によくない意味を含む場合がありますので注意しましょう。
特に目上の存在である上司に対して、商品券などの金券類のほか、「勤勉」を連想させる筆記用具、時計類、カバンなどの仕事関連のアイテムを贈るのは失礼にあたるといわれています。
3.お歳暮は日本の贈答文化のひとつですが、会社によっては社員間の贈答を禁止している場合があります。
お歳暮を贈る前に会社のルールや習慣を確認することも必要です。
また、お歳暮は日頃お世話になっていることへのお礼です。
お歳暮を贈ることが評価につながると期待するのは見当違いといえます。
相手の人柄や考え方を知らずにお歳暮を贈ると、思わぬ失敗につながる場合もあります。
お歳暮の意味を理解し、その人にあったものを職場内でのルールを守って送る必要があります。
そうしたら失敗なく、相手に感謝を伝えられるでしょう。