仕事を覚えられない原因と対処法。
1.仕事を覚えるのに要する時間は人それぞれ異なります。3ヵ月でだいたいの仕事を覚える人もいれば、1年程度じっくりと時間をかけて覚える人もいます。
シチズン時計株式会社が新入社員に行った『「社会人1年目の時間と仕事」調査』によると、全体の60%程度が「約3ヵ月以内に慣れた」と回答しています。
また、調査時点で「まだ慣れていない」と回答している人も20%いました。この結果からも、仕事を覚える時間には個人差があることがわかります。 一方、企業側では、「この時期までにある程度の仕事を覚えてほしい」という目安を設けている場合もあります。その目安の一つとなるのが、試用期間です。
社員として正式に迎える前に自社の業務への適性を見極める期間です。
一般的には1~3、または1~6ヵ月の期間が設けられており、その間に適性、能力が見極められます。
試用期間がある企業に入社した場合は、その期間内に企業が求める最低限の仕事の流れを覚えることを目標としましょう。
2. 仕事がなかなか覚えられない場合、そこにはいくつかの原因が潜んでいることが考えられます。
それはあなたのスキルの問題だけでなく、職場環境に起因している場合もあります。
あなたのケースが以下に該当していないか確認してみましょう。
・転職や就職してから日が浅い場合は仕事が覚えられなくて当然です。初めて見聞きするものばかりで、上司の話を理解することすら難しいかもしれません。
・チーム内で仕事内容の共有がおこなわれていない状態では覚えるべき仕事も覚えられません。
自分がすべきことを理解・把握することから始める必要があります。
・上司や同僚に質問をしにくい職場環境の場合も仕事をなかなか覚えられないでしょう。
質問することで怒られたり職場の雰囲気が悪くなったりするような環境では成長のチャンスが奪われてしまいます。
・社員教育の体制が整えられていないことも仕事が覚えられない原因の一つとなります。
入社時研修がないまま実務をやらなければならなかったり、マニュアルが整備されていなかったりするケースが考えられます。
・自分のキャパシティを超える仕事量を抱えていれば、すべての仕事を覚えきることは不可能です。
一人ひとりの特性や状況に合わせた仕事の振り分けがなされていなければ、すべてが中途半端になってしまいます。
・コロナ禍による在宅勤務などでコミュニケーションが取りづらい状況では、仕事を教えてもらうのも覚えるのも一苦労でしょう。
対面であればスムーズに教えてもらえることもパソコン画面を通してのコミュニケーションでは勝手が変わり、相手の意図をうまく汲み取れないことがあります。
3.仕事を覚えられない人にはいくつかの共通した特徴が見られます。
犯してしまったミスの原因を探ったり反省をしたりしない人は、なかなか仕事を覚えられません。
ミスの振り返りをしなければ、そもそも自分のどんな言動が良くなかったかを把握することができません。
わからないことを恥ずかしいと感じてしまい、なかなか質問できないことも仕事を覚えられない人の特徴の一つです。
質問している姿をまわりの人に見られるのが恥ずかしい、理解力が乏しいと思われたくない、などの気持ちがあると、つい自力で乗り切ろうとしてしまい、正しい仕事の進め方が身につかなくなってしまいます。
仕事に必要な基礎知識が足りていなければ、仕事が覚えられなくて当然です。なぜこの仕事をするのか、この仕事がどんな結果を生むのかなどを理解して初めて、自分が関わる仕事の意味を理解することができ、その手順が頭に入ってくるのです。
仕事を覚えられない人の中には、与えられた仕事の時間配分や一つひとつの作業に対する優先順位を判断するのが苦手な人もいるでしょう。
適切な時間配分や優先順位を判断できないということは、自分がやるべき作業の範囲や手順などを理解しきれておらず、曖昧なイメージしか抱けていない可能性があります。
仕事にやりがいを見いだせないと、業務内容がなかなか頭に入っていきません。
業務内容やその目的が理解できていなければ、仕事はなかなか覚えられません。
業務の全体像とそれが何のためにおこなわれるのかという目的が把握できなければ、自分の作業の意義を理解することは難しいでしょう。
上司や同僚の指示やアドバイスを求めずにすべて一人で進めてしまう人は、仕事を覚える機会を自らで奪っているのと同じです。
人を頼らずに仕事をやりきることや自分なりのやり方を模索することは大切ですが、それはまず正しい仕事の仕方を覚えてからの話です。
4.たとえ仕事が覚えられなくても、自分にできることから対処していけば、徐々に仕事を覚えられます。
以下のような対処法を試してみましょう。
一度ミスした事は二度とミスしないようにする ミスをしたことを思い詰めることはよくありませんが、だからといって「また間違えてもいいや」という軽い認識では成長はできません。
なぜミスをしたのか、どうしたらそのミスを防げるのか、そのために自分は何をすべきかを考え、二度と同じミスをしないように心がけることで、ミスは確実に減らせます。
仕事が覚えられない方に今すぐ試してほしいのは、割り振られた仕事をすべて紙やパソコン上に書き出すことです。
またそのときは、一つひとつのタスクを達成するために必要な細かい作業もすべて洗い出すのがおすすめです。
仕事を覚えられない原因の一つには、自分が何をすべきなのか頭の中で作業の組み立てがうまくいっていないケースが考えられます。
仕事に取りかかかる際にはまずタスクを可視化し、自分のやるべき作業を理解することからはじめましょう。
仕事に取り組む際には、はじめに期日を把握しておきましょう。そして、期日に間に合うように逆算し、重要タスクを割り振るようにします。
いつ何をすべきか決めておくことで、わからないことに事前に対処できるだけでなく、手順を整理できます。
たとえば資料集めを依頼された場合、退屈な作業のように感じるかもしれませんが、あなたの集めた資料をもとにクライアントへのプレゼン資料が作成されると聞くと、資料を探す手法や探すべき場所が明確化されてくるはずです。
仕事が覚えられない人は日頃からメモを取る習慣をつけるようにしましょう。
仕事を教えてもらう時や新しい作業をする際にメモを取っておけば、わからなくなったときにすぐに見返すことができます。 なお、メモを取る際には見返すことを前提とし、要点をおさえて書き留めるように心がけましょう。
自分の携わる業界や商品の知識を身につけることも必要です。
仕事が覚えられない時には、覚えるべき内容を理解するための前提となる知識が不足している可能性があります。
仕事の理解は知識によってより高められるものであると心得ましょう。
仕事が覚えられない状況を脱却するには、わからないことをすぐに質問する勇気を持ち、その都度問題を解消していく姿勢が必要です。
解決すべき疑問をそのままにしておくことはあなたの成長を大きく妨げてしまうものなのです。
在宅勤務の方はチャットツールやオンライン会議を活用し、周囲と積極的にコミュニケーションを取っておきましょう。
チーム内で円滑な人間関係が構築できれば、上司や先輩が気にかけてくれたり、フォローしてくれたりする機会があるはずです。
受け身の姿勢で居続けるのではなく、成長しやすい環境を自分で整える努力も大切です。
まずは自分からアプローチしていき、仕事を覚えやすい環境を作っていきましょう。
周りとの協力関係は重要です。
それでも自分で苦しい、合わないと思ったら、転職をするのも一つの手です。
最終手段で頭に入れておくといいかもしれません。