70歳まで働く時代!高年齢者雇用安定法が改正?

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令和2年3月に「高年齢者雇用安定法」の改正が国会で可決されました。この改正は希望する高齢者が70歳まで働くことを推奨するものだとか。

高年齢者雇用安定法は、「シニアが活躍できる労働環境の整備」を目的とした法律です。

1971年に制定された「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」が始まりで、1986年に「高年齢者雇用安定法」と名称を変更。

このとき、60歳定年が努力義務化され、その8年後の1994 年には60歳定年制が義務化となりました。

2001年から、厚生年金の支給開始年齢が段階的に65歳に引き上げられたのを受け、定年退職の年齢と年金の受給開始年齢に生じたギャップを埋めるべく、2004年に、新たに高年齢者雇用安定法を改正。

企業には「65歳まで定年を引き上げる」「定年制を廃止する」「65歳までの継続雇用制度の導入」のいずれか1つを採用することで、65歳までの継続雇用に取り組む義務が課せられました。(2006年施行)

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●「高年齢者雇用安定法」の改正の推移 1971年 「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」が制定 1986年 「高年齢者雇用安定法」へ改正。60歳定年を努力義務化 1990年 定年後再雇用を努力義務化 1994年 60歳未満定年制を禁止(1998年4月1日施行)

2000年 65歳までの高齢者雇用確保措置を努力義務化 2004年 65歳までの高齢者雇用確保措置の段階的義務化(2006年4月1日施行)

2012年 希望者全員の65歳までの雇用確保措置を義務化(2013年4月1日施行)

 

来年4月から適用される、「高年齢者雇用安定法」は、定年を70歳まで引き上げるとしています。この法改正の背景にあるのは、少子高齢化による人口急減で不足する労働力の確保と経済の活性化です。

総務省住民基本台帳に基づく2019年1月1日時点の人口動態調査によると、1994年の15~64歳の生産年齢人口は、8,659万8,018人で、全人口の69.65%を占めていたのに対し、2019年には7,423万0,887人(59.49%)に減少。対して、65 歳以上の割合は1994 年の1,723万9,327人(13.87%)から、2019年は3,501万4,064人(28.06%)に上昇しています。

60~64歳層は、65歳までの高齢者雇用確保措置の段階的義務化の導入が義務付けられた2006年以降に就業率が上昇。

2018年の60~64歳の就業率は68.8%で、同年の65~69歳の就業率は46.6%ですが、法改正で70歳まで働けるようになると、60歳代の就業率はさらに上昇が見込めます。

高齢者の労働人口が増えると、社会保障の収入も見込めます。

国が、「70歳までの就業機会の確保」を打ち出すのには、働く意欲のある高齢者に、日本の人口減=労働者減の支え手に回ってもらうという狙いがあるのです。

多様化する働き方に合わせて企業も対応 現在、施行されている高齢者雇用安定法は、同じ企業内での雇用継続を目的とした3つの選択肢「65歳まで定年を引き上げる」「定年制を廃止する」「65歳までの継続雇用制度の導入」のいずれか1つの対応をとることで、従業員が65歳まで働ける機会を作ることを企業に義務付けています。

新しい改正法は、現行法の選択肢に、「他企業への再就職支援」「フリーランスで働くための資金提供」「起業支援」「NPO活動などへの資金提供」の4つが加わります。

企業は、シニア層の他企業への再就職や独立支援についても、努力義務として取り組まなければなりません。

国は、企業への負担を配慮し、あくまで努力目標として推進していますが、将来的には義務化も視野に入れ、定年についての拡大を図ることでしょう。 ・

 

企業の選択肢

(1) 70歳まで定年を引き上げる

(2) 定年制を廃止する

(3) 70歳までの継続雇用制度の導入 ・企業の選択肢

(4)他企業への再就職支援

(5)フリーランスで働くための資金提供

(6)起業支援

(7)NPO活動などへの資金提供 新たな働き方として注目されているのが、退職後に元の雇用先と業務委託契約を結び、会社員時代の業務を個人で請け負う業務委託契約です。

 

 

60歳まで働いて年金生活というのは今は昔の話。

高齢者雇用安定法を理解して、プランを今一度見直す必要性が出てきました。

不安の残らない老後の生活を考えましょう。