リーダーシップとマネジメントの違いは?リーダーに必要な素質は。

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リーダーシップとは、「目標達成のためにチームを率いる能力、資質」のことです。

チームを進むべき方向へ導き、プラスの影響力を与える役割を発揮することを指します。

リーダーシップについてはこれまでさまざまな解釈がなされてきましたが、心理学者の三隅 二不二が唱えた「PM理論」では、リーダーシップを「目標達成機能」と「チーム維持機能」の2種類の要素で紐解いています。

目標達成機能で重きを置かれているのは、いかに成果を上げるかという点です。

中長期的に具体的なアクションプランを設定、行動の取捨選択を徹底した上で、達成に向けてメンバーを指導し望ましい方向性へ導く能力を指します。一方、チーム維持機能とは、チームのあり方に重きが置かれたものです。

目標達成には個人のやる気と円滑なコミュニケーションによる良好なチームワークが大切であるとし、一人ひとりの抱える問題点を放置せずチーム全体で共有し解決していく能力を指します。

理想のリーダーシップとは、この2つのどちらか一方に偏ることなく、両者をバランスよく進めていくことで発揮されます。

リーダーシップと混同されがちなのが「マネジメント」です。

リーダーシップはメンバーに目指すべき姿を示し、目標達成に向けてチーム全体を先導する役割を担います。

リーダーシップの発揮には、チームの中で模範的存在となりメンバーから信頼を集めることが重要です。

どちらかといえば現場目線、メンバー目線で組織のあり方を考え、メンバーを背中で引っ張っていくような役割です。

一方マネジメントは、目標達成のために最適な計画や手段を確立し、チーム全体を管理する役割を担います。そのため、常にチームやメンバーの進捗に注目し、論理的かつ柔軟な対応を行わなければなりません。

 

リーダーシップと異なる点は、メンバー目線というよりも、メンバーを管理する立場であるとの自覚を持ち、一歩引いた視点から、組織を管理していく役割といえます。全体を見渡す鳥瞰図を見ているような感覚で、組織のあり方を考えていくといえば分かりやすいかもしれません。

近年ではリーダーシップがすべてのビジネスパーソンに求められる傾向にあります。

一人ひとりのリーダーシップが掛け合わさることでチームのパフォーマンスが最大化され、大きな成果が期待できるためです。 しかしそれは、決して全員が組織のトップ層を狙うべきという意味合いではありません。

自分自身の思考や言動の舵取りをし、チームへと活かしていくことが、組織全体の成長につながるのです。

では、リーダーシップには具体的にどのような役割や目的があるのでしょうか。3つのポイントにわけて紹介していきます。

リーダーシップを取るうえで大前提となるのは、適切な目標の設定とタスクの管理です。

目指すべき方向性が定まらなければ、向かう先どころか何をすれば良いのかさえわかりません。

多種多様な思考や価値観を持つ人々をまとめ上げ、一つの共通目標達成まで導く先導力を発揮するためにも、目標設定、タスクの洗い出し、優先順位の明確化、進捗管理などを行うことは必須です。

メンバー同士の円滑なコミュニケーションやモチベーション向上、ゆるぎないチームワークを育むことも、リーダーシップにおける大切な役割であり目的となります。

強引にチームや組織を支配するのではなく、メンバーの可能性を疑わず静かに見守る強さが求められます。 そして、必要があれば脇道からすくい上げたり軌道修正を図ったりしてメンバーをサポートします。ただし、あくまでも一人ひとりのメンバーの自主性を阻害しない配慮が必要です。

成果を出すチームのほとんどは、個々の能力が最大限に発揮されている状態にあります。しかし、みんながみんな自分の能力を理解している訳でもなく、理解していたとしても発揮するすべを見出せていないケースもあります。そのためリーダーは、一人ひとりの個性を把握し自分自身の能力への気づきを促す役割も担います。

 

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リーダーシップを実行するにあたり必要な能力とはどのようなものなのでしょうか。

 

まずは、メンバーの進むべき方向性を示す明確な目標設定が必要となります。

その際に重要なのは、短期的で非現実的な目標を設定するのではなく、実現可能なものとして目標を明確化することです。

目指すものが漠然としていたり大きすぎたりするとリアリティさが損なわれてしまい、メンバーのモチベーションアップにつながりません。

思い込みにとらわれずチーム全体を見渡せる視野の広さが必要です。

メンバーの状況に気を配り、課題にぶつかっている場合は助言をしたり、脇道にそれてしまいそうな場合は、再度目標やビジョンを示したりと、都度軌道修正を図ることが、チームの一体感の向上と目標達成に効果を発揮します。

問題に直面した時、あらゆる選択肢や可能性から的確に判断を下す能力が求められます。チームがより望ましい状態に進めるように最適な方向性をしっかりと見定めて、メンバーをけん引します。

(4)決断力や実行力 物事を決断する力、決断を実行する力も重要な要素です。

チームのビジョンに基づいた形で自ら決断、実行し、見本となることで、メンバーの思考や言動に好影響を与えます。

多種多様な人々を一つのチームにまとめ上げ、同じ方向を向かせて目標を達成するために、高いコミュニケーション能力は欠かせません。

コミュニケーションによってメンバー間の良好な関係性構築を支援したり、一人ひとりと対話し特性を理解したりすることは、チームの団結力向上や目標達成の大きな後押しとなります。 また、メンバーの話を聞くばかりではなく自らのビジョンや考えを語ることも求められます。

 

 

ここではリーダーシップについてとそのリーダーに必要な素質などを説明してきました。

ですが、特定の一人がリーダーシップを発揮するのではなく、一人ひとりがリーダーシップを持って物事を進めていけば、チーム全体のモチベーションが上がります。

全体の意識を上げて上司や仲間、後輩に信頼される存在になってください。