外国人労働者の教育経験者7割が日本人の1.5倍以上の時間がかかる

f:id:pochiaries:20220220095457j:plain

外国人労働者の指導経験者を対象とした外国人労働者の教育に関する実態調査を実施し、その結果と考察を発表。

調査の結果、指導経験者の7割が日本人の1.5倍以上時間がかかると回答。

同調査は、外国人労働者と受け入れ企業が互いに何を期待し、何が課題であるのかを認識し、受け入れに必要な準備や心構えの手がかりを得ることを目的としてます。

人材不足に直面しているサービス業は、人材確保に対処すべく、外国人雇用を進めますが、顧客ニーズの多様性、商品やサービスの入れ替えサイクルの短縮化などオペレーション複雑化のため、教育難易度は上がる一方。

今後、日本企業は人手不足解消のためだけでなく、外国人労働者が働きやすい環境を整備し生産性を高める必要があります。

また、日本で習得した考え方やスキルを母国で活かし、日本企業や製品への愛着を持った外国人労働者を増やし、将来のビジネスや経済発展の機会に繋げることが期待されます。

外国人労働者の受け入れ、アジア圏を中心に多国籍化が進行せず現在人手は充足していますか?と質問したところ、体感として人手が足りないと回答した指導経験者が65%。

特に、離職率が高く、非正規雇用が多いサービス業において人手不足は影響が大きいもの。

f:id:pochiaries:20220220100652j:plain

次に、在籍中の外国人の国籍を教えてくださいと質問した結果、中国、韓国、小学校で学ぶ第一外国語が日本語など、親日で知られるベトナムも近年では増えています。

それぞれの国籍に合わせて言語や文化、宗教など外国人従業員のバックグラウンドが多様化する想定がされます。

新人外国人労働者への教育、62%が不十分と回答また、外国人への教育・指導結果の効果にどう感じているか聞いた結果、思うような指導結果に至ってないという回答が57%、もともと教育できていない回答を含めると、62%が新人教育で十分な教育を行えてないと回答。

さらに、外国人にどのような内容の指導をしているのか聞くと、日本人も外国人も同じ内容で指導している回答が71%に。

一方、外国人材の多様なバックグラウンドによる認識や習慣のずれを踏まえて日本の商習慣や心構え、文化、コミュニケーションなどについても指導を行っている回答も40%ありました。

外国人が独り立ちするまでの指導時間は日本人と比較してどの程度違いがありますか?と質問したところ、独り立ちまでに必要な指導時間は、日本人よりも長くかかるとの回答が68%。

日本人と同じ内容を教えていても、コミュニケーションの難しさ前提となる価値観や文化の相違により、指導者だけでなく指導される側も苦労していると考えられます。

外国人への指導で苦労していることはありますかと質問すると、苦労していることは特にないという回答が10%にとどまり、ほとんど指導者が何らかの苦労をしていると回答。

日本語が流暢でない場合は細かい指示が伝わらないという問題が考えられます。

しかし、日本独自のサービス業の品質の高さを外国人に再現してもらうために指示が細かくなる傾向も。

習慣や文化の違いによる問題という回答は45%ありましたが、それを教育しているとの回答は20%にとどまったことから、本来すべき教育が実施できていない現状。

また、コミュニケーションが円滑でない回答も34%あり、現場の人間関係に影響が出ると考えられ、働きづらさの要因にもなりかねないでしょう。

外国人労働者の教育で、単純な人手不足の解消以上の効果多店舗展開企業の現場では、教育難易度の高さから外国人教育に苦労している現状が浮き彫りになりました。

外国人の教育は日本人よりも時間がかかり、1対1のOJTを実施すれば、人件費の高騰による利益の圧迫につながりかねません。

日本全体で見た場合、外国人の指導時間をひとり当たり25万円とし、72万人に1対1のOJTを実施すると1,800億円の人件費が発生。

それでも受け入れ企業の外国人に対する期待は高く、訪日外国人対応や外国人マニュアル改善に代表されるような、外国人ならではの発想と積極的な姿勢による業務改善の可能性も秘めており、単純な人手不足の解消以上の効果が。

 

 

言語も違う国からやってくる外国人は同じ日本人に教育するよりも難しい問題はありますが、それ以上に新しい発見などももたらしてくれることでしょう。

お互いが働きやすい企業の整備が整うといいですね。