「声」を変えて辛い仕事に挑もう!③
説得力はビジネスパーソンの強い武器。
ビジネス相手や上司になるほどと興味を持ってもらうため、どんな声を心がけたらいいでしょうか。
どんなに準備に時間をかけても、話している内容が良くても、相手が何を言っているか理解できなければ、意味をなさないです。
では、相手に思いがしっかり伝わる声とはどんな声なでしょうか。
わかりやすいのが、テレビショッピングの司会者です。
なんとなく見ていただけなのに、テンポのいいトークに引き込まれ、気がつくと注文してしまっていた、なんて人もいるのでは。
彼らは実に表情豊かに話します。
正しい呼吸法を土台に、吐く息とスピードをコントロールし、アピールポイントなど重要な箇所では、声の高さやボリュームを変えることで、商品の魅力を視聴者により印象付けるよう工夫しています。
彼らはいわば説明のプロですから、全く同じようにとはなかなかいきませんが、簡単に真似できるテクニックもあります。
(1)テレビショッピングの司会者は実によくみなさんという言葉を入れてきます。
人は呼びかけられると、意識がそこに向かうもの。
目の前で自分のために話してくれるような感覚になるのです。
この呼びかけるという方法は、通常のビジネスシーンでも有効です。
ここは意識して聞いてほしいと思うところで、田中部長などと呼びかければいいのです。
相手は私のことを考えて話してるんだと悪い気はしないはずですし、初対面ならすぐに名前を覚えてくれるなんて信頼できるなと感じてくれるはず。
(2)滑舌の悪さをカバーするテクニックもあります。
それを実践していたのが、ジャパネットたかたの高田明元社長です。
独特のセールストークが人気でしたが、決して滑舌がいい方ではありませんでした。
それでも言葉が聴覚にしっかり入ってきたのは、単語の頭で息を吐くことで、言葉を立たせることができていたからです。
話すことに苦手意識を持っているのなら、最初からパーフェクトに話すのを目指すのはやめて、まずは第一声と、決まり文句に絞って、声の改善を図ってみてはいかがでしょう。
少し滑舌が悪かったとしても、ここぞ、というところでいい声が出せたら、全体の印象は俄然良くなります。
第一声に関していえば、おはようございます、こんにちは、はじめまして、お世話になっておりますというあいさつが多いでしょう。
はっきりしたいい声であいさつをすることから会話を始めれば、説明や交渉のいいスタートダッシュになり、相手に与える第一印象も良くなります。
一方、決まり文句は、職種によって変わります。
自分が普段仕事でよく口にしているフレーズをピックアップし、いつでもどこでもはっきり言えるように練習しましょう。
練習用のフレーズをいくつか参考に挙げました。
・いつもお世話になっております。
・ご検討をお願いいたします。
・お手数ですがお願いいたします。
声の上級者として最近気になる人といえば坂上忍さん。
声が低く、情感豊かに話してます。
私たちは低い声に落ち着きや安心感を感じる傾向があります。
しかも坂上さんはゆっくりと語りかけることで、言葉に重みをもたせています。
もともと俳優さんですから、あの絶妙な間の取り方や声の響きは簡単には真似できませんが、いつもより少し低めの声を心がけるだけでも、説得力は増します。
相手の目を見て話すことも忘れないように。
相手の顔を見ないまま、書類ばかり見て話すと、聞く側は問題を抱えているのか、隠し事がありそうなどと不安を抱く可能性もあり、集中して話を聞けません。
このように話し方を見直してみるだけでも今の話し方より良く声が改善できるでしょう。