異動の挨拶の注意点、電話・メール・スピーチなど。
複数の部署があるような企業で長く働く方は、異動を経験すると思います。
初めての異動となる方はもちろん、経験がある方も確認で参考にしてください。
1.社内での異動の挨拶は、直接会って挨拶、電話で連絡、メールで連絡のいずれかが一般的です。
関係性が深い上司などに関しては、対面で直接伝えるべきです。
やむを得ない理由で電話やメールでの連絡になったら、いずれの方法で挨拶をするにしてもスムーズに対応できるよう、それぞれ特徴や注意すべきポイントを把握しておくと安心。
2.時間的な制約や相手の都合などを考えると、関わりのある全員に挨拶することは現実的ではありません。
しかし、関係性の深い同僚、お世話になった上司には、自ら出向いて異動の報告をするべき。
なるべく早い段階で対応しましょう。
直接異動の挨拶をするとなるとスケジュールの兼ね合いあり、挨拶をする相手の優先順位を決めなくてはなりません。
最も優先すべきなのは、一緒にプロジェクトを進める仲間など、自分の異動でダイレクトに影響が及ぶ人達。
異動の挨拶ができるタイミングがきたら、すぐに挨拶を済ませましょう。
遠方の支社にいる仲間やスケジュール的に会えない方に対しては、電話で異動の挨拶をしましょう。
異動日、後任者の紹介、今後考えられる影響などといった業務的に必要な部分とともに、今までお世話になった感謝の言葉も伝えましょう。
後任者の連絡先情報は、電話の後にメールで送ると親切です。
電話をする際、長電話となって相手の迷惑とならないよう、要点を絞って話しましょう。
一例として、お疲れ様です。●●部の●●です。突然のご報告となりますが、●月●日をもって●●部から異動となり●●部へ所属することになりました。
後任は●●さんとなりましたので後程連絡先をメールにて共有させていただきます。
また、本人からもご挨拶するようにいたします。
なお、●月●日までは私も引き続き業務を行いますのでお問い合わせ等の対応は可能です。
私が●●部に着任してから●●さんには色々とご協力いただき大変お世話になりました。
今後直接的な関わりは減ってしまいますがまたご一緒させていただく際にはぜひよろしくお願いいたします。
3.対面や電話での挨拶が叶わない場合は、メールを利用します。
メールでの異動の挨拶は、お互いの顔が見えず文章のみでのコミュニケーションとなるため、言葉選びや文脈に気を配ります。
メールでの異動の挨拶について、解説します。
異動の挨拶をするタイミングは、規程により定められたり内部事情があり、上司の指示を仰ぐのが安全ですが、業務上直接的な関わりがある方々には早めにお知らせするのがマナー。
関わりが少ない方々は、遅くても異動日の2、3日前にメールを送るようにすると良いです。
異動の挨拶は誰にすれば良いんだろう?と悩む方もいるかもしれませんが、まず同じ部署の人達には全員送るのがマナー。
顔を合わせる機会も多く直接挨拶ができる機会もあると思いますが、メールで挨拶も送ると丁寧です。
部署外の人達は、過去に関わりがありお世話になった方々に対して送りましょう。
面識がない人に送る必要はありません。
異動の挨拶メールの例文を紹介します。以下をベースとして、アレンジしてください。
■件名
異動のご挨拶
■本文
●●部
●●さん
お疲れ様です。
●●部の●●です。
この度の人事異動により
4月1日付で●●を離れることが決まりました。
異動先は●●部となります。
●●さんとは
3年前のプロジェクトでご一緒したのをきっかけに
その後もさまざまな場面でご協力いただき
心から感謝しております。
誠にありがとうございました。
4月より部署は変わりますが
今後も一緒にお仕事させていただく機会があるかもしれません。
その際には、ぜひまたよろしくお願いいたします。
なお、異動後も連絡先メールアドレスや
電話番号に変更はありません。
本来であれば、直接ご挨拶に伺うべきところですが
取り急ぎメールでのご挨拶となりますこと
お許しいただけますと幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。
4.メールで異動挨拶をする際、相手に不快な思いをさせないため注意したいポイントがあります。
メールでの異動挨拶は一斉送信を避け、一人ひとりに相応しい内容を作成し送信すべき。
簡単に過去のエピソードを添え、今までお世話になったことへ感謝の気持ちを伝えます。
やむを得ない事情により一斉送信しなければならない場面もあると思います。
その際、本来であればお一人ずつご挨拶するべきところ、一斉送信でのご連絡となりますことをお詫び申し上げます。といった謝罪の一文を添えましょう。
異動の挨拶メールは、決してネガティブな要素は含めないようにします。
たとえ不本意な異動だとしても、そのことに不満をこぼすことはあってはなりません。
相手に不快感を与えるだけでなく、噂が広まって異動先の方々の耳に入る可能性もあります。
異動の挨拶メールは、あくまでも異動先のお知らせと感謝の気持ちを伝えるものです。
5.異動の際には、部署内でスピーチするケースもあります。
自己満足的なスピーチとならずに好印象を与えられるスピーチを行うためのポイントに注意します。
聞く側の人達が集中力を持って聞けるよう、必要以上に長くしません。
長くて3分程度にとどめます。
スピーチ前に内容をまとめておくと慌てずに済みます。
スピーチの際には、以下の要素を盛り込みます。
●何日付でどの部署に異動するか
●お世話になった感謝の気持ち
●現部署で印象的だったエピソード
●今後の抱負
●今後の良い関係性をお願いする言葉
自分の居場所が変わっても、また別の形で関わり続ける方もいるでしょうし、一旦接点がなくなっても再び一緒に仕事をする機会があるかもしれません。
今までの感謝の気持ちと今後の良好な関係をお願いする気持ちを伝え、好印象を与えるスピーチとなります。
6.今までお世話になった取引先やお客様にも異動の挨拶を行いましょう。
その際、こちらから出向くのがマナーです。
今までの感謝の気持ちを伝えつつ、自分が異動することで先方に今後影響が及ぶ可能性があれば、そのことに説明します。
紹介や引き継ぎも兼ねて後任者にも同行してもらえれば、先方にも後任者にも安心できるはずです。
たとえ自分が異動したとしても、会社としての付き合いは続いてます。
後任者が先方と良好な関係性を構築していけるよう環境を整え異動するのも役目の一つであると認識しましょう。
やむを得ず訪問できない場合、メールで挨拶します。
その際以下のように記載ましょう。
■件名異動のご挨拶
(社名、名前)
■本文株式会社
●●●●部
●●様
平素より大変お世話になっております。
●●株式会社の●●でございます。
急なご報告となり恐縮ですが、
3月末日をもちまして
現在の●●部からの異動が決定いたしました。
●●様には入社当時から大変お世話になり
心から感謝しております。
誠にありがとうございました。
なお、今後貴社の担当は
後任の●●が務めさせていただきます。
~後任者氏名、連絡先~
しっかりと引き継ぎを行い
ご迷惑のないようにいたしますので
引き続きよろしくお願い申し上げます。
また4月以降、私の新しい連絡先は
以下の通りとなります。
~連絡先情報~
本来であれば、直接ご訪問しご挨拶に伺うべきではございますが
このような形となりましたことお詫び申し上げます。
今後とも、変わらぬご愛顧のほどお願い申し上げます。
今までお世話になった人たちへ感謝を伝え、不安の残らない引き継ぎをしてから気持ちよく新しいスタートが切れるようにしましょう。