見逃さないで!自分のストレスサイン。
毎日の仕事の中で避けて通れない「ストレス」。休日に思う存分だらだらする、親しい友人や家族に相談したり愚痴を言って発散する、スポーツに打ち込んだり買い物をするなど、人によってストレスの解消方法はさまざまかと思います。 しかし、そもそも「なぜ」仕事でストレスが溜まるのでしょうか?ストレスを緩和するためにできることはないのでしょうか? また、うまくストレスを解消できない...という方もいらっしゃるかもしれません。日々のパフォーマンスを高めるためにも、自分に合ったストレス解消法を知っておくことが大切です。 ここでは、仕事のストレスの原因と解消方法をご紹介します。
まず大切なのは、そのストレスの原因がどこにあるかを知ることです。 では、ストレスの原因としてはどんなものが考えられるのでしょうか。
仕事のストレスとして非常に多く挙げられるのが「人間関係の悩み」です。チーム内でそりが合わない人とのやりとりや、上司との関わり方など、仕事の中で避けにくい人との関係性がストレスにつながることは十分に考えられます。
入社当初は情熱を持って仕事に取り組んでいたものの、仕事に慣れてくると「このままでいいのだろうか?」と漠然とした不安に駆られることがあります。
自分の将来を考えた時の不安も、ストレスの要因の一つとなる可能性があります。
与えられた業務をどんなにスピードを上げてこなしていても終わらない、終わったと思ったら次のタスクを渡されて残業が続くなど、仕事が途切れずに続くことはありませんか? 働き過ぎは、多くの人々にとってストレスの大きな要因となっています。
働く上で目標やミッションを与えられることは不可欠です。しかし、その目標値が高すぎたり、ミッションがうまく遂行できないなどがストレスになることがあります。
誰よりも積極的に業務をこなし成果もあがっているはずなのになかなか認めてもらえない、また評価はされても給与や報酬に反映されないといった場合に、その不満がストレスに発展する可能性があります。
自分なりに将来性や適性を考えたうえで選んだはずの仕事なのに、実際に働いているうちに「こんなはずじゃなかった」、「思っていた仕事と違った」といったミスマッチを感じるようになったり、部署の異動によって業務内容が変わったりした時にストレスを感じることがあります。
同じ状況に置かれていても、ストレスの感じやすさには個人差があります。では、どういった人がよりストレスを感じやすいのでしょうか。
負けず嫌いな人は、つい誰かと自分を比べてしまいがちです。
目標に向かって頑張ることは良いことですが、競争心が強すぎるとそれがストレスに繋がってしまう可能性が高いです。
責任感が強い人や完璧主義な人はリーダー向きで、チームメンバーを率いる立場にいる方が多い傾向にあります。しかし、プロジェクトを任された時など「全て完璧にこなさなくては」と、その生真面目さからついつい一人で全てを背負い込みがちです。また、少しのミスも許せず自責の念に駆られてしまったり、完璧にこなそうと思ったりするあまり、必要以上にプレッシャーを感じてしまうことも。
失敗やトラブルに敏感な人は、仕事の完成度は高いものの代わりに自分自身がストレスで潰れてしまう...ということがあるのではないでしょうか。
こうした心配性タイプの方は、行動を起こす前に頭で考えすぎてしまう傾向があります。
慎重であることは長所ですが、常に不安を抱えてしまったり着手する前から失敗するところを想像してしまったりするなど、ストレスが生じやすい気質といえます。
社内でのコミュニケーションや会議・プロジェクトなどで、結論や結果を早急に求めていませんか? 気が短いタイプの人は、自分が考えるスピードと周囲の人々のスピードが合わず、そのことからストレスを抱えてしまっているかもしれません。
性格的におとなしかったり、控えめで感情をあまり表に出せなかったりするタイプの人は、周りの意見に合わせてしまいがち。
断りたくても断れない、嫌なことを嫌と言えないなど、小さな積み重ねがストレスにつながります。
明らかなマイナス要素からだけでなく、「こんなことで?」という意外な出来事からも日々ストレスは蓄積していきます。そのため、心身から発せられるSOSである「ストレスサイン」にいち早く気づいてあげることが大切です。
定期的に自身の心と身体に向き合い、以下のような状態が表れていないか振り返ってみましょう。
心のサイン
●感情のコントロールができず、急に涙が出てくる
●感覚が過敏となり、驚きやすくなる
●必要以上に不安になったり、緊張を感じたりする
●ちょっとしたことでイライラする
●脱力感、無気力状態で気分が落ち込み、やる気が出ない 上記のように急に涙がでてきたり、突然今の環境や将来に不安を感じたりしてしまうなど、少しでもいつもと違うなと感じた場合は、もしかしたらそれは心のサインかもしれません。
身体のサイン
●めまい、耳鳴りがする
●頭痛、腰痛がする
●寝つきが悪い、何度も目が覚める
●食欲不振、食欲増進 ●腹痛、下痢、便秘 身体のサインでは主に耳鳴りや頭痛などがあります。必ずしもストレスが原因だと言い切ることはできませんが、不調を感じたらお休みを考えてみましょう。
体を思いっきり動かして頭の中を空っぽにするなどストレス発散にはおすすめです。 また、いままで挑戦してみたいと思っていたけどできなかったことなどに挑戦してみるのもいい刺激になり気持ちのリセットにも繋がります。
香りでストレスを和らげるアロマテラピー。好きな香りの精油をバスタイムに使用したり、お部屋でアロマキャンドルやアロマ加湿器を使ってみたりするとリラックスできます。
ハンカチに1滴垂らして持ち歩くこともおすすめです。 また、好きな音楽を聴くことで気持ちをリセットすることもストレスの緩和になります。
休日にショッピングを楽しんだり、給料日に自分へのご褒美を買ったりするのもおすすめ。
連休や有休を利用して日常から離れた自然あふれる場所や温泉などへ旅行することでもリフレッシュできます。
話題のカフェに行ってみたり、いつもよりワンランク上のレストランに行って贅沢な食事を味わったりすることで、お腹も心も満たしてあげましょう。
「お給料日には贅沢する」といった目標を持っておくとモチベーションも上がります。
ストレス対策法 発散して解消できるストレスならいいですが、ストレスの根本を見直さないと解決しないような場合は下記を参考に対策していきましょう。
仕事でやるべきことに優先順位をつけ、計画を立てたうえで取り組むと、今まで何時間もかけていた仕事の時間を短縮できる場合があります。
与えられた仕事をただ流れ作業で行うのではなく、1日単位・1週間単位・1か月単位などのサイクルでやるべきことに優先順位をつける癖をつけてみましょう。
締め切りのある仕事や与えられたプロジェクトがある場合、期日を逆算したうえで達成の目標期日を定めておきましょう。また「この仕事プロジェクトが達成出来たら美味しいものを食べに行く」といった個人的な目標を持っておくことで、よりモチベーションが上がります。
同期入社の同僚や同じ世代のスタッフがいる場合、つい友達感覚で接してしまっていることはありませんか? お互いに支え合う関係や気を許せる関係の仲間がいることはメリットでもありますが、職場はあくまでも仕事を遂行する場所。
社会人として対等な立場で接することが大切です。
職場に信頼のおける先輩や上司がいれば仕事の悩みやストレスを相談できるかもしれませんが、やはり話しづらいこともあるでしょう。そんな時には、寝る前にその日の出来事や、仕事の中で上手くいったこと、嫌だったことをノートに書き出してみると良いでしょう。
書くという行為が心を落ち着け、気持ちの整理につなります。また、客観的に自分を見つめ直すことで、ストレスとの向き合い方のヒントが見つかるかも知れません。
ストレスとうまく付き合える人は、自分で自分の機嫌をうまく取ることができる人です。
好きなものを好きなだけ食べる、散歩をするなど、自分の気分がちょっと上がることはありませんか?
手軽にできる気分転換の方法をもち、こまめに心身のリセットを図るようにすれば、ストレスをため込み過ぎることもなくなるでしょう。
上記のストレス対策を試してみても心が晴れず、仕事に行きたくない、辞めたいという気持ちがなくならないとき。その気持ちはあなたの心が限界であることのサインです。以下のような方法で早めに心を休めてください。
精神的な余裕がなくなると視野が狭くなり、物事の捉え方や考え方が偏りがちになります。
マイナス思考が加速したり衝動的な行動を取りやすくなったりすることにもつながるため、ストレス要因である仕事から離れて心身を休め、自分自身について考える時間が必要です。
有給休暇は法令により労働者に与えられた権利です。
職場環境によっては休暇を快く受け入れてくれない風潮もあるかもしれませんが、負い目を感じる必要はありません。
無理を重ねれば、そのぶん回復までにより時間を要し、さらに辛い思いをしなければならなくなります。
自分に寄り添い守れるのは自分自身であることを理解しておきましょう。
心身に明らかな不調が現れている場合は休職を検討すべきです。
休職中に収入が途絶えることが不安で一歩踏み出せない方もいるかもしれませんが、ケガや心身の病気療養によって働けない場合には健康保険組合から傷病手当金を受給することが可能です。
申請には諸条件を満たす必要がありますが、傷病手当金が受給できれば業務や生活費の不安を最小限に抑え、すべての時間を心身の回復に充てられるようになります。
健康保険組合や医師に相談し、受給申請を検討してみましょう。
自分なりにストレスを回避し解消を試みても心身の調子が回復せず、「仕事のことを考えれば考えるほど辛い」「仕事を辞めたい」などと感じるようであれば、その気持ちに逆らわず転職を視野に入れたほうがいいでしょう。
物理的にストレス要因から離れることが問題解決への一番の近道です。
衝動的に会社を辞めるなどは会社に迷惑をかけるので、避けたほうが無難ですが、何よりも大事なのはあなた自身。
落ち着いて自分がどうしたいのか考えて、つらい気持ちがなくなるように解放してあげてください。